多治見JC

  会員専用ページ

理事長所信

第71代理事長所信表明

2025年度 一般社団法人多治見青年会議所 
理事長基本方針

はじめに

近年の情報通信技術の発達と浸透により、人々にとって欲しい情報を気軽に得られる社会になりました。また、様々な情報と簡単に繋がることができるようになったことで、人々は他者に頼らなくともある程度の悩みを自分で解決できる時代になりました。しかし、多くの情報によって自身が抱える問題を見る視点が増えてしまい、より生活に悩みを抱える人が多くなったと感じます。自分達が調べるだけでは解決できず、悩みを抱えて生活するしかないまちに、人々は住み続けたいと思うでしょうか。
現在、地域の問題や課題を解決すべく、行政や地域団体が長きに亘って活動に取り組んでいます。青年会議所も同じく、地域の問題を解決し、住んでいる人々の幸せを願って発足し、今日まで運動を展開しています。ただ、我々は改めて向き合わなければなりません。「青年会議所しか無かった時代」から「青年会議所もある時代」へと変化した今、我々の地域における役割とは何か、ということです。既に様々な団体が地域で専門的な活動を進めている中、私達がやるべきことは何でしょうか。「明るい豊かな社会の実現」という壮大な理想を掲げる我々青年会議所は、これからの社会のためにも、彼らと連携し、人々と繋がり、自分達の役割を見直すことで、我々が地域から自然と頼られ、声をかけられる存在になっていかなければなりません。
これからの社会における問題や課題はより複雑になり、一人で向き合うだけでは簡単に解決することはできません。青年である我々が地域と人々を繋ぎ、頼られる団体になることで、いつまでも安心して住み続けられるまちを創り上げてまいりましょう。

地域から頼られる人材の育成

近年、多様な価値観を認める時代になったことで、自分の感性を中心に物事を決められ、他者の考えや声を気にする必要が無い時代になりました。また、物や情報が溢れて便利になったことで、他者に頼らず生活できる世の中になりました。しかし、周囲と触れ合う機会が減ったことで、他者から頼られ、助け合うことを無意識に避けている人が増えたと感じます。そのため、人々は他者と頼り頼られる関係になることに消極的になってはいないでしょうか。今後、多様性を認める社会が更に進んでいく中、私達が抱える課題がより複雑化することを考えると、相談相手が見つからず、一人で困っている人々がまちに溢れてしまうのではないでしょうか。そんな冷たいまちに人々は住み続けたいと思うわけがありません。
今、我々が求める明るく豊かな社会とは、同じまちに住む者同士、困った時に手を取り合い、悩みや問題を解決しながら、みなで一緒に地域を作り上げていける社会ではないでしょうか。今こそ、我々は困っている一人ひとりに手を差し伸べ、周りから頼られるリーダーにならなければなりません。地域から頼られる人材になるためには、どんな困っている人に対しても真摯に向き合う意識が必要です。また、人の話に耳を傾け、相手を深く理解する力が必要です。そして、解決に向けて相手の状況を分かりやすく整理する力を持つことで、相手に解決の糸口を気づかせなければなりません。
次代の責任を担う我々が地域から信頼され、頼られる存在になることで、青年会議所の運動が地域の人々を安心させます。我々の行動によって、まちの未来を希望あるものにしてまいります。

人の悩みを解決できる地域社会を目指して

現在、この多治見市内には数多くの地域団体が存在しており、行政を始め、様々な団体が地域課題の解決に日々取り組んでいます。しかし、悩みを抱える人々は、自身の悩みを相談できる団体が地域に多くあると気づかず、未だ自分で調べることでしか問題を解決できないと思ってはいないでしょうか。専門的な活動を行っている団体に直接相談できれば、自身の悩みを早期に解決することもできるはずです。悩みを抱えた人々と地域団体に距離があっては、人々が安心して暮らせるまちだと本当に言えるでしょうか。このまちを豊かで住みやすくしていくためには、悩みを抱えた人々と地域団体がもっと気軽に近づき、解決に取り組みやすい環境にしていく必要があります。そして、自分達が住んでいる地域の課題や悩みは、地域の中で解決できるまちにしていかなければなりません。
これからの青年会議所は、地域や人に寄り添い、人々の行動を支える存在であるべきです。そのためにも、我々は行政や団体がどんな活動をしているか地域の人々に分かるようにし、相談相手が数多く活動していることを伝える必要があります。そして、地域の諸団体と連携し、人々の課題や悩みを気軽に相談できる場を作り、地域の悩みを解決する機会を創出していかなければなりません。
今こそ青年会議所として地域のために活動する方々と悩んでいる人々とを結びつける行動を起こし、人々の悩みを解決できる暮らしやすい地域社会を目指してまいります。

創立70周年

多治見青年会議所は多治見・笠原の未来を想い、地域を良くするために立ち上がった56名の青年達から始まりました。彼らが当時描いていたまちの未来はどういうものだったのでしょうか。経済が安定し、人々の生活がとても豊かなまちを創りたい、と考えていたと想像します。そして、自分達の運動がまちを豊かにしていくと強く信じていたと思います。
交通安全運動や土岐川を美しくする運動、陶器まつりチャリティーセール、修道院保存運動、たじみ市民討議会、市民向け講演会など、先輩諸氏の強い想いによって数多くの運動が行われて70年、その歴史と功績は今の多治見市の基礎に繋がっていることは間違いありません。
多治見青年会議所が今でも存在し、市中の多くの諸団体の皆様と強い信頼関係で結ばれているのは、先輩諸氏の地域を愛し続ける想いがあったからです。この歴史や功績に対し、今を担う責任のある我々は感謝と敬意をもたなければなりません。また、我々は、多くの運動を展開してこられた先輩諸氏と交流し、多治見青年会議所がどういう団体か理解を深める必要があります。そして我々は、自分達の行動でまちをもっと良くできると感じ、次の10年に向けて今何をするべきか、改めて考えていかなければなりません。
我々多治見青年会議所は、引き続き地域から必要とされる団体の一つとして、これからも地域をけん引する意識を持ち、仲間と熱い議論を交わし、時代に合わせた運動を続けてまいります。

むすびに

青年会議所での活動について、大変だ、時間が取られる、という声を聞くことがあります。しかし、それだけの労力をかけることで初めて見える素晴らしい景色もあるのではないでしょうか。多くの人が活動する青年会議所は、言わば社会の縮図です。一人ひとりが役割を担い、言動を考え、責任をもって仲間と向き合う。仲間のことを想い、成長を最大化させるために意見をぶつけ合う。しかしそれは、忙しい生活の中で見えなくなっている自分自身を改めて気づかせてくれる大切な機会ではないでしょうか。40歳までの限られた時間の中で、できる限りのことを全力でやり切ることが自らの成長となり、失敗も人生の大きな糧となります。
青年会議所の本分は、まちづくりであり、ひとづくりです。日々忙しい中で活動に参加している我々は、仲間同士向き合い、互いに助け合えるような組織にしていくことが最も重要です。そのためにも、個人的な考えや想いが先走るのではなく、組織として仲間の考えや想いを共有し合えるようにすることが大切です。また、青年会議所の運動を発信し、学びとやりがいに溢れている組織であることをまちに広めていかなければなりません。主体性を持ち、成長するために共に助け合うことで、やりがいをもってJC活動に邁進できるような団体にしていきましょう。心からこのまちを愛し、自分達の未来ために自分達が行動する気概を膨らまし、一丸となって運動を展開してまいります。