多治見JC

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理事長所信表明

2019年度 
一般社団法人多治見青年会議所 
理事長基本方針

65代理事長 田財千裕

はじめに

多治見青年会議所63代理事長 現在の日本は経済の発展に伴い、自由に自分らしく暮らすことができるようになった反面、多様化してしまった価値観に的確迅速に対応していくことが求められる時代となりました。あらゆる組織での活動は、合理性を追求するためにマニュアル化され、ルールに基づく行動が重視される一方、自発や自責という概念が軽んじられるようになったと感じます。また、急速な情報技術の発達に伴い、各々の権利・主張が今まで以上に発信されるようになり、団体活動においてはハラスメントという言葉が横行し、人々はバッシングを恐れ当り障りのない行動に注力し、自分の信念に沿った行動さえも躊躇し、現状維持を最良とする社会傾向にあると感じます。
 私達が所属する青年会議所ではどうでしょうか。「明るい豊かな社会の実現」という基本理念に向け、実直に行動することができていると胸を張って言えるのでしょうか。先輩方から受け継いだ過去の実績に甘え、成功事例を模倣することが正解だと思い込んでしまい、信念をもって自らの意志で行動を興し、チャレンジすることを忘れてはいないでしょうか。
 こんな時代だからこそ、責任世代である我々メンバーは、失敗を恐れず積極的に挑戦していくことが必要不可欠なはずです。輝かしい実績を残された先輩方のように、不変の理念を胸に宿し、周囲に惑わされることなく「誰のために何ができるか」のただ一点を想い、行動という形の確かな一歩を皆で踏み出していこうではありませんか。今こそ、これまで築き上げてこられた歴史に誇りをもち、我々自身が地域のリーダーとして何ができるかを考え、目指すべき理想を具現化し、実現するための決意をもって一心不乱に突き進むべきなのです。そして、そのような実直な姿勢こそが、このまちに住み暮らす人々の意識変革を促し、輝かしい未来へと導いていくことに繋がると信じ、確かな一歩を踏み出してまいります。

行動できる人材の育成

 我々が青年会議所への入会を決めたとき、何を願っていたでしょうか。小さな社会に満足することなく、新たなフィールドに出ることで、そこでしか得られない経験を通じ、視野を広げ自己を成長させることを望んではいなかったでしょうか。しかし、組織での経験を重ね環境に慣れていく中で、物事を実現する苦難や費やす時間などの負担の部分にばかり目を奪われてしまい、自己の成長機会を軽んじ初心から離れてしまってはいないでしょうか。
 変化や新たな取り組みを恐れてはなりません。新たな経験と成長を得るためには、これまでには無かった負担が発生するのは当然のことなのです。恐れや不安に怯むことなく常に前向きに物事を捉え、できない理由の捻出に時間を浪費するのではなく、先ず行動を興すことのみに注力することこそが、活動期間に限りのある今の我々に必要なことなのです。
 そのためには、物事には明暗の二面性があることを理解し、明るい部分を捉えることで前向きな意識の変化を興すとともに、失敗を恐れ思案に暮れることなく、先ず行動を興しその結果から学ぶことの重要性を理解することで、たとえ困難に直面してもそれを自身の成長の機会と捉え、挑戦することのできる人材へと成長してまいります。
 我々が、常に先陣を切って前向きな行動を興す人材となることで、同世代からの共感を得られ、延いては周囲を牽引するリーダーとしてこのまちの未来を切り拓いてまいります。

生き抜く力をもった子ども達の育成

 私が幼少の頃は、かくれんぼや鬼ごっこ、木登りや基地作りといった遊びが日常で、少々の危険は顧みず、ルールやゴールを仲間と共に考え、誰に何を言われるでもなく自分達で納得しながら遊んでいました。その中で疑問に思ったことを自ら考え解決する喜びや楽しさを実感し、また時には友人とぶつかり合ったり、仲直りを繰り返しながら、社会で生きていくために必要な知恵や知識を、自然と身に付けることができたと感じます。しかし、今の子ども達は、外で遊ぶ時間や遊び方、友人関係までも大人から与えられた制限で拘束され、自らで考える力を育む機会が減ってしまっている様に感じます。この現状のままで、今後も起こり続けるであろう社会変化に打ち勝ち、行動することのできる大人へと成長していくことができるでしょうか。私たち責任世代である大人が、何事においても自分で考え解決することのできる子どもへと育成していくことが、今の時代に最も必要なことだと考えます。
 そのためには、普段の生活では味わえない実体験を通じて、どんな困難にも立ち向かえる柔軟な発想力と、困難に直面したときに、たとえ一人ではできなくても仲間と共に協力しながら、最後まで逃げることなくやり遂げる行動力を養うことで、「生き抜く力」を持った大人へと導いてまいります。
 我々が、子どもたちに「生き抜く力」を育み、今後の縮小均衡社会にも負けることの無い、たくましい大人へと導くことで、活力あるまちの創造へと繋げてまいりましょう。

むすびに

 青年会議所は、40歳という限られた時間の中でしか活動することができません。そんな制限がある中で、過去を模倣することや世間体を気にすることが、本当に必要でしょうか。先輩方は、白く濁った土岐川を綺麗な川へと変えてくださいました。当時の時代背景からすると、地場産業は繁栄しその代償が白い土岐川であり、世間からは否定的な声もある中で、「誰のために何ができるか」のみを追求し、勇気ある一歩を踏み出されたからこそ、子ども達が土岐川で遊ぶことができる今日に繋がり、今尚語られる功績となっているのです。青年会議所運動とは、「明るい豊かな社会の実現」に向けてその時代に応じた行動を興していくという、至極シンプルなことだと私は思います。そこには、マニュアルも合理性も必要なく、明るい未来を信じ失敗を恐れず行動を興してこそ、社会に一石を投じることができるのだと思います。そして、そんな活動の中で芽生えた友情こそが、生涯の宝物となる友であり、同じ苦難を乗り越えたメンバーが存在し続けることが、多治見青年会議所の今後も変わらぬ力強い運動発信に繋がるのです。
 平成も終わり、新しい元号に代わる節目である本年。我々多治見青年会議所が、今後も地域から、さらには時代から求められる組織であり続けられるよう、組織内の議論に傾注するのではなく、愛するこのまちに何ができるのか、そして、周囲の人々にポジティブチェンジの火種を与えることのみを追求し、限られた時間を大切に、チャレンジ精神をもって行動という確かな一歩を皆で踏み出してまいりましょう。

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