多治見JC

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 64代 理事長所信表明

2018年度 
一般社団法人多治見青年会議所 
理事長基本方針

64代理事長 小境邦裕

はじめに

多治見青年会議所63代理事長 現在、日本全土で深刻な少子高齢化が進行する中、地域活性化の重要性はこれまで以上に高まっています。我々の住み暮らすこのまちも、市民一人ひとりが中心となり、社会変化に負けない力強いまちを、自分達の力で創り上げていく事が求められています。そんな中、責任世代である我々青年は、将来のまちや国の課題を自分事と捉え、積極的に取り組む事が出来ているでしょうか。物質的な豊かさの中で、今日の日常をあたりまえのものと考え、問題を直視せず先延ばしにし、自分の事を優先し、他者や地域を顧みる想いが不足してしまっている様に感じます。そんな社会の空気の中では、これからを担う子ども達が大人に憧れ、ふるさとを愛し、このまちで活躍する自分の未来像を想い描く事も出来ません。
 今後困難が予測されるこんな時代だからこそ、我々青年会議所が地域のリーダーとしての意識と資質を高め、目の前にあるまちや企業や組織の問題と正面から向き合い、解決の道筋を具体的にし、怯む事なく全力で取り組んでいかなければなりません。そして我々が先導者となり、今日の豊かさが他者やまちに支えられているという理解を広げ、手を取り合い協働する意識を地域に広めて参ります。
 目の前の困難が大きく見えようとも、越えられない壁はありません。目を逸らす事なく一歩ずつ取り組めば、必ず次へとつながる光が見えてきます。そして、たとえこのまちに投じる石は小さか ったとしても、その波紋は大きな波となり広がる運動となっていくのです。メンバー全員が変革の能動者として三信条を胸に一丸となり、感謝の念に溢れるたくましいまちの創造を目指して参ります。

魅力ある人材を目指して

 63年の長きに亘り、多治見青年会議所はその時代に求められる運動を展開し、地域からの信頼を築き上げて参りました。しかし、今の時代を担うべき我々は、年月を経て時代や状況が変化しているにも関わらず過去に捉われてしまい、対象者や目的達成の為の議論より、組織の中の議論が優先され、それに満足してしまってはいないでしょうか。青年会議所は机上で議論するだけの団体ではあってはなりません。我々が地域から必要とされ求められる存在であり続ける為には、説得力と具体性を兼ね備えた事業を計画し、実践する力が伴った団体でなければならないのです。
 その為には、メンバー一人ひとりが自らを律する意識を持つだけでなく、変えるべき物事の本質は何か、誰の為の運動なのかを深く掘り下げ、意義のある事業を広く発信する力を身に付けていく必要があります。自らの言動に責任を持ち、大局的に物事を捉える事の出来る力を養い、自分の考えを明確に伝え、相手の理解を得られる自己発信力を身に付ける事で、行動力と説得力に満ち溢れ、周囲を惹きつける人材へと成長して参ります。
 そして、我々が地域を牽引するリーダーとしての自覚を持って行動に移し、魅力溢れる運動を発信していく事で、同世代からの賛同の輪を拡げ、延いては地域に求められ続ける団体へと昇華して参ります。

まちの未来を担う子ども達の育成

 今日のこのまちの姿は、多くの先人達が仕事を通して様々な困難に立ち向かい、社会の発展に貢献してこられた賜物です。私が子どもの頃、働く大人は今よりも身近な存在でした。いつも祖母の健康を気遣ってくれた花屋さんや、届いたテレビを喜ぶ私達を嬉しそうに見つめていた電気屋さんや、自分達で建てた街灯を誇らしく説明してくれた父等、周囲の喜びを意気に感じ、誇りを持って働いている大人達の姿を間近に見る事で、自然とその姿に憧れを抱いたものです。何時の時代に於いてもどんな職業に於いても、仕事の根底にあるものは、他者に感謝され、周囲と助け合い、そして社会から必要とされる事であったはずです。
 しかし、行き過ぎた経済の発展は厳しい競争を生み出し、短期的な合理性や経済性ばかりが重視され、長期的な繁栄に必要な仕事の根底にある本来の価値観が軽んじられてしまっている様に感じます。そんな大人達の背中を見て育つ現代の子ども達は、大人への憧れが薄れ、他者や地域と助け合い支え合う大切さが十分に理解出来ず、将来の自分が社会で活躍する姿を想い描けなくなっているのではないでしょうか。子ども達が自分の住むまちの事を深く知り、仕事本来の価値を理解する事で具体的な夢を持ち、努力を怠らない大人へと成長出来る様、導いていかなければなりません。
 その為には、今日のこのまちの姿が先人達の重ねて来られた努力の結晶である事を子ども達に伝え、愛郷心を育むと共に、仕事の根底に流れる価値を実際に体験し経験値として養う場を創出し、人の為地域の為に活動する大切さと達成感を広く伝える事で、このまちを愛し他者に感謝される喜びを根底に宿す大人へと導いて参ります。そうする事が少子高齢化にも負けない、郷土愛溢れるたくましいまちの創造へ繋がると信じ、積極果敢に取り組んで参ります。

結びに

 青年会議所には、自らの成長につながる機会が数多く存在します。しかしその機会は、目的意識を持ち能動的に挑戦して初めて、大きな学びへと繋がるものです。40歳までという限られた時間しかない事や、家族や会社に支えられて活動が出来ている事、志を共にする仲間も自分と変わらない状況でJCに取り組んでいる事を肝に銘じ、全力を以って取り組む事で、自己の成長へと繋げて参りましょう。
 そして我々が、未来に向けて発展し挑戦していく組織であり続ける為には、前向きな雰囲気に満ちた環境を構築していくのはもちろんの事、共通目的をもつ他団体との連携をより強固なものとしていく事で、可能性を広げ、運動の波紋を大きくしていく必要があります。この東濃地方には、多治見青年会議所を含め5つの青年会議所が存在します。それぞれ地域性や環境は違いますが、同じ理念のもとに各々が独自の活動を展開し、会員減少という共通の課題も抱えています。我々5つの青年会議所が、これまで以上に運動の方向性と情報の共有をして連携を図り、互いに切磋琢磨し協働していく事で、多くの気づきや学びへと繋げて参ります。
 多治見青年会議所の組織力を高め、手を携え助け合う力強い東濃を育み、そのポジティブな連鎖を継続し、市民意識変革運動を推進し、このまちに大きなうねりを起こして参ります。

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